オーナーインタビュー/築60年の古民家を活用した空き家リノベーション

2025-01-04

今回インタビューさせていただいたオーナー様は地域活性化団体Kammas β(カンマスベー)の代表 大和さん。今回は、空き家リノベーションを活用した、地域活性化の取り組みやリノベーションに至った経緯についてお話を頂きました。

 

プラットフォーム [GALYEA] (ガレア)/店舗リノベーション

築60年の戸建空き家をリノベーション

施工面積/3LDK

費用 300万円

 


地域の方々が集まれる公民館のような場所に

 

 

-リノベーションをされたきかっけはなんですか? 

大きなきっかけは妻の転職で群馬に移住することになったのがきっかけです。

移住する前から群馬には月に一度のペースで来ており、東京と群馬を繋ぐコミニティ作りやいろいろな企画などを作っていたのですが、妻の転職のタイミングもあったので、この機会にと妻の実家がある群馬についていく形で移り住みました。

生活をする中で、群馬でも空き家の課題があって、空き家の活用方法を模索しているということが分かったので、空き家を活用しリノベーションをすれば、地域の課題解決やコミュニティの場づくりが出来るのではと考えました。

上:before  下:after 


収納など古いながら使えるものはそのまま使用。

-賃貸物件の中でもこの物件に決めてリノベーションした理由などはありますか? 

何件も迷ったのですが、決め手は駅に近い立地で利用される学生が来やすいことと、実際にスタイルのお二人にも一緒に現場見てもらったことが大きかったです。

最初はネットで探しながら1件1件手当たり次第で見ていたのですが、あまりなにを基準に見てよいか分からず迷っていたのですが、色々探していたときにスタイルさんと前橋工科大学さんなどが手掛けた広瀬団地の改修工事のことを見つけて問い合わせしました。

実際に検討している物件をみてもらいながら、ここは家賃は安いけれど、物件本体に工事費がかかりすぎるや、水回りの交換の内容など見て物件情報だけだと分からないことなどを一緒にみてもらえたので、安心して決めれました。


上:before  下:after 

 

-現在この場所はどのように利用されているの場所でしょうか 

主には群馬県内の大学生向けのコワーキングスペースとして運営しております。前橋駅から近いこともあり、近隣の大学だけでなく、高崎経済大学や共愛学園の学生などにも利用いただいています。コワーキングスペースだけでなく、地域の方々が気軽に集まれる場として、集会所のような利用もしています。あと、オンライン上にも同じメタバース空間を作っており、オンラインでもつながれるプラットフォームにすることで、地域内外の人々を繋げられる場所にしたいと思っています。

 

上:before  下:after 


キッチンのカップボードは解体しリビングと繋がりのある空間に。

 

-リノベーションを進めるうえで、どんな点を重視しましたか-

一番気にしていたところは、正直予算でした。

限られた予算の中で、どこまで手を加えるかを最初に打ち合わせ致しました。

今回は古民家を借りて、手を加える部分と残す部分を分けて、古いガラスや扉などはそのまま手を付けずに活かしてもらい、リノベーションならではの新しいものと古き良きものを合わせながら伝統的な要素を活かすようにしました。

全体のイメージとしては、「和」と「洋」の融合をテーマにした空間作りです。特にメインのリビングにはインパクトのある一枚板のテーブルを設置デザインにしてもらい、ここのシンボルとして機能するよう工夫しました。


テーブルは荒木(加工前の状態)の状態から選定。材木屋に行き、脚の形状や加工方法も含め打合せ。

 

-お気に入りの場所はありますか?-

一番のお気に入りはメインのリビングが特に気に入っています。

大胆に設置した、一枚板のテーブルがここのシンボルにもなっているので、地域の人々が集まって交流できる居心地の良い空間になったと思います。あと、自分たちの手で工事もした2階スペースも気に入っています。押入れの解体や壁の塗装から椅子を作るワークショップまでさせてもらったので、参加した方々がこの場所にどんどん愛着が湧いてきてくれているのが嬉しかったです。壁を取り払ったことで広々としたスペースが作れたので、大人数でのミーティングやイベントがしやすくなりました。


GALYEA(ガレア)を利用する方々と一緒に解体や塗装工事・椅子づくりも行った

 

『ここは発展途上が魅力だと思っています。』

 

-今回の工事をきっかけに変化は出ましたか?-

一番の大きな変化はリアルで集まれる場所が出来たことです。いままではオンラインがメインでの繋がりだったのですが、ここで集まり、またオンラインのメタバース空間でも集まれるというどちらも出来るようになったことでより結束感といいますか、内容が濃くなったと思います。いまここを利用する人々がどんどん増えていき、設立から3か月で約90人が参加してくれています。年齢層も20代から50代と幅広く、学生や社会人など多様な方が関わってくれているので、色々目線で意見が飛び交うので、毎日変化と発展の連続で楽しいです。

この建物は築60年の古民家で、新築とは違う良さも悪さもがあると思います。当時のそのままを残してもらったリノベーションならではの形は、自分たちの活動と同じでまだまだ発展途上・未完成の良さだと思っています。この発展途上を利用される皆さんと一緒に楽しんでいきたいと思います。


上:2階フリースペース 下:ワークショップで製作したオリジナルスツール(hollow stool)

 

―今回STYLE LABOに依頼して良かった点などありますか―

実家や購入した物件ではなかったので、最初にも言いましたが、まず物件探しの時からアドバイスいただき、一緒に現場を見てくれたのが助かりました。自分では分からない点を設計士の目線で、コストがどうかかるのかを説明してもらって安心しました。

物件探し以上に助かったのは、工事だけでなくや家具やカーテンなどのインテリアも一緒に全部お願い出来たことですね。まず工事費でどのくらいかかるのか、そのあと家具や必要備品などそれぞれ探していたら、考えることが多くて、仕上がりもちぐはぐになっていたと思います。

今回は自分の予算を伝えて、工事だけなくインテリアからオリジナルのクッションづくり、自分たちも工事に加わらせていただいたワークショップの提案まで含めて総額で考えていただけたのは費用面でもとても安心しながら進められました。

 


伊勢崎銘仙を使ったオリジナルクッション。京都の工場と共同しながら製作。

―今後の展開を教えてください―

地域の伝統工芸である伊勢崎銘仙を活用したアイテム作りを進めています。例えば、クッションやTシャツなど、普段使いできるアイテムに取り入れることで、日常的に伝統工芸に触れるきっかけを作りたいと考えています。また、NFTやブロックチェーンなどのデジタル技術を活用して、伝統工芸の価値を新しい形で証明することにも挑戦しています。

可能性をリノベーション


STYLELABO道脇と談笑する大和さん ここは発展途上で地域の方々と一緒につくっていきたい

 

STYLE LABOでは群馬・栃木を中心とした住宅だけでなく店舗やオフィスのリノベーションも行っております。

 

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