設計士インタビュー第1回~店舗併用住宅~

2024-03-08

Q.今回の設計についてどんな建物か教えてください。

間宮(以下:ま) 今回は、店舗併用住宅として3年前に新築を建てているお宅です。これから始めようとしている店舗の作業スペースを広げたいというご相談をいただきました。広げるにあたり、土地に対してのお家のサイズが大きかったので、これ以上法律的に広げられない状況でした。少しでも作業スペースを広げるために、役所などで資料を集めて計算をし、出来る限りの増築と、それに付随して内装の設計をさせていただきました。

Q.設計に着手する前に考えたことは?どんなことを意識しましたか?

ま:着手前は増築する部屋全体を少しだけ広くして、その中で事務所を作ったり、作業スペースを作ったりとスペースを増やすか、今ある空間のサイズにまとまった空間をプラスして、事務所と作業スペースを設えるのかを検討し、お施主様と打ち合わせしながら進めていきました。

Q.今回のプランのコンセプトを教えてください。

ま:元々のお家のデザインもあるので、美容室部分だけデザインが浮いてしまわないよう、元々のイメージも残しつつ、お施主様の希望を取り入れて考えました。限られた空間の中で、要望に答えて利用しやすい空間になるよう、家具や設備を配置し、スペースを生み出すかが課題でした。
お施主様の人柄や住まいのイメージから、あまりナチュラルにならないよう、植物とか生きているもの、木材など生物的な物を入れたくなくて、簡単に言えばモダンでシックなデザインにしたい気持ちがありました、床も天井も壁も、全部生命活動のない、モルタルや真鍮、鉄で仕上げていきました。

 

無機質な感じ?

ま:はい。全体的に、鉄とか、真鍮とかで無機質な感じです。メインの造作家具を木で作ることで、空間全体の生命力みたいなものを一つの場所に集めています。


そこは今回のイチオシの見どころですか?

ま:そうですね。限られた空間の中でどれだけ必要なものを意味を込めて設えるか、が1番大きいです。

今回の「インテリアと建築」というと、その造作家具ですか?

ま:はい。造作什器や照明プランになります。

すぐに取り出して使用できる小物をいれられる引き出し(画像を参照※1)

オーは―様が使う3種類のタオルをぴったり収納できる(※2)

一枚の棚板を可動棚とする事でサイズの大きい物も収納可能に(※3)

細かい物も大きい物もサイズに合わせて収納できるように可動棚とし、4枚の棚板を設けました。(※4)

収納する物や使用用途を確認し必要な枚数の棚板を設けます。

 

Q.設計について、今回、工夫したところは ありますか?

ま:限られた空間の中で、必要なものを抑えられるよう、水洗 や照明器具、棚1つからとてもミニマムな物を使用しました。特殊な商材を扱ってるメーカーさんや、無機質なステンレス、鉄、陶器といった小さく収まる商品を探したり、ピッタリ納まるよう什器を作ったり。


Q.最後ですね、今後のその物件のあり方、どういう建物であってほしいですか?

ま:そうですね。で元々のお家に付随して、そこに手を加えさせてもらったから、普段の暮らしの中に仕事場が存在する形になるので、お店と普段の暮らしがうまく循環して、調和のとれた空間になるといいのかなって。

生活の一部ですね

ま:お家の中に違和感なく溶け込んで、なおかつ、お客さんも喜んでもらえるのが1番。ここは今後、お家と一緒に育っていく空間になっていくのが1番いいかなと思います。

 

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